この町の防災防犯について考えてみませんか?最終回【防災メンバー編】
こんにちは、1丁目のウサギです。
今回は防災メンバーについてお話したいと思います。
1・人間関係が希薄な今
平成以降よく近所付き合いが無くなったと聞きますが、核家族化や仕事上の単身住まいの増加等で止むを得ない部分もありますよね。
時代の変化で仕方ないと言えますが、一般的にインターネット・携帯電話の普及が拍車を掛けたとも論じられます。
確かに昭和の時代は何をするにも直接会わなくてはならず、良くも悪くも対人コミュニケーションが自然に取れていました。
更に昔なら農作業や生活環境維持の為に村全体で共同生活が当たり前で「近所付き合い」という概念自体が存在しなかったのでしょう。
では必ずしも「付き合いが減る=悪い事」なのでしょうか?
家電の普及や技術の進歩により個人でも生活が可能になり、人付き合いが苦手な方にはむしろ状況が好転したとも言えます。
スマホで「仕事で関わる人」「個人的に気の合う人」のみ連絡を取り合い生活が成り立つので、ある意味ストレスから開放されている部分もありますね。
では災害等の緊急対応はどうするのかを検証しましょう。
2・どちらが良い悪いではない
では昔より今の状態が良いのか?と問われると「総合的には同じ」と言えます。
先に述べたように近隣で付き合いが減った分、友人や遠方の理解者と関われる事により距離はともかく「質」的には満たされているのです。
問題は震災や病気・ケガ等で「実距離が近い理解者」が必要になった時です。実際に起きる確率は低いとして、数十年に一度の災害やトラブルならその時だけ我慢すればOKと考える人もいます。
もちろん考え方には個人差があって当然ですが、近所と遠方の人脈両方をバランス良く保っておくのが最善策でしょう。
隣人の顔すら知らない事が珍しくない時代ですが、騒音やマナー問題等で「全くの他人」故に我慢を限界まで重ねた結果、口論や事件に発展する事が多々あります。
年に数回でも挨拶や会話があれば言いにくい事や頼みにくいケースも減って、結果的には自助や共助につながります。
特に災害時には多くが初対面同士での救出活動や連携作業となりますので、いかに平常時に顔や名前だけでも知っておくかが大切ですね。
3・近所の消防・警察関係等の人は出動してしまう
運良く(?)自分の近所や町内会に消防・警察・自衛隊等の現役職員の方がお住まいでも、災害発生時には各職場へ緊急出動となり自宅付近には長期不在となります。
他にも医療・建設・インフラ(電気水道ガス通信等)・物流関連の方も出動となり、実際の地元復旧作業は残った人で進めなくてはなりません。
特に行政からの安否確認や配給計画の連絡対応・ケガ人搬送や緊急措置などは、誰でもいきなり出来る物ではありません。
誰が?誰から?どこから?いつ?誰に対して?どうやって?・・・と次々に沸いてくるパニック事項を可能な限り多くのメンバーで共有しておく必要があります。
「この仕事は○○さん担当だから」「これは□□係がやってくれるはず」「これは△△に行けばもらえる事になっていると思う」なんて考えは今この瞬間に捨てて下さい。
良い意味で広く浅く、誰がいてもいなくても停滞なく機能する思考システムが絶対的に必要なのです。
まとめ
防災に限らずコミュニティ活動は必ずしも「ストレスを感じる程の付き合い」が正解ではありません。無理に昔のような結束・団結感を目指して結果的に崩壊したら本末転倒なのです。
ただしイザと言う時には助け合える・配慮し合える関係は必要不可欠なので、せめてお互いに「良識ある住民同士」である雰囲気だけは構築しておきたいものです。
災害時に人だけ集まって「教わってない」「何も知らない」「誰かやってよ」にならない為に「この場合の対処法を共有しとかないとマズイですよね」「この事を○○係しか知らないのは危険なので広く告知しませんか」などと、予見性のある感性が必要です。
つまり防災メンバーはこれを読んでいる貴方自身であり、誰でも良いので意識向上の必要性を伝える事が出来れば立派な防災活動になります。
何も発災後の救助活動だけではなく、未然に被害を抑える減災活動も同じ位に大切なのです。
本当の緊急時に必ず大きな差が出ますので「あの時やっといて正解だった!」と思えるようにしたいですね。
防災防犯シリーズは今回で最後となりますが、乏しい内容ながら少しでも皆様の参考になれば幸いです。
もしご質問等ありましたら下記までお問い合わせ下さい、お読み頂きましてありがとうございました。
junyafujiwara@ymobile.ne.jp
この記事を書いたひと
一丁目のウサギ
神橋小学校・六角橋中学卒業で、ほぼずっと神奈川区にいるサラリーマンです。
ちょっと心配性な所を防災活動に活かして行きたいと思いますので宜しくお願い致します