昔も今も、町を見守る場所。神大寺1丁目「河合書店」を訪ねて

昭和31年から、この町を見守り続けてきた「河合書店」。

神大寺と三ツ沢の境にあるバス通りを歩くと、その入り口に置かれた可愛らしいお花に、思わず目を留めた方も多いのではないでしょうか。

神大寺三ツ沢エリアにお住まいの方にとっては、この黄色い看板はなじみ深い風景のひとつではないでしょうか。

69年前から地域を見守る河合書店さんを訪ねてきました。

優しい笑顔の店主、河合さん

お店を切り盛りするのは、いつも優しい笑顔で迎えてくれる店主の河合さん。

少し前までお花屋さんも兼業していたという河合さんにお話を伺うと、昔は賑わっていたこの通りも、今では「うちだけです」と、少し寂しそうにお話してくれました。

残念ながら、今はお花屋さんは閉じられています。

お花屋さんは店じまい

お花屋さん部門はおしまい

「3年前にね、夫婦で病気をしてしまって、お花屋さんはやめたんです。花はね、やっぱり自分の目で見て仕入れないと良いものが分からないから。年齢的にも、やめる時が来たのかなと思ってね…」

そう語る河合さんの言葉からは、長年お店を続けてきたからこその深い愛情が感じられました。

実際に、店先に飾られる花は控えめながらも訪れる人の目を楽しませ、河合書店がただの本屋ではなく、町の風景の一部であることを物語っています。

店頭の植物

本屋として続ける日々

河合書店

今は本屋として、注文や配送を中心に営業されています。

奥さんがいない日は一人で椅子に座り、外を眺めながら本を読んでいるという河合さん。

「今は本を読まない、買わない、全部Webだよな」と、時代の変化を静かに見つめています。

それでも、変わらず本を手に取れる場所がこの町にあることは、多くの人にとって心強いこと。

紙の本ならではの魅力を静かに守り続けている河合書店は、今の時代だからこそ貴重な存在ともいえるでしょう。

「町の生き字引」としての存在

本屋さん

河合さんは、神大寺周辺だけでなく、近隣エリアのあらゆる情報に精通した「町の生き字引」。

行きつけのパン屋さんや、顔見知りの花屋さんのお話、グルメ情報まで、たくさんの楽しいお話を聞かせてくださいました。

「今までは病気なんてしなかったのに、80歳を過ぎてから急に…」と笑う河合さん。

これからも、この町で元気にお店を続けていってほしい。

そう願わずにはいられない、温かい取材となりました。

河合書店の本

静かに本を守り続け、花を通じて人を和ませ、町の移り変わりを見つめてきた河合書店。

そこには、ただの本屋以上の価値が宿っています。

「ここに来れば河合さんに会える」という安心感は、地域の人々にとってかけがえのないものです。

河合書店

場所 神奈川区神大寺1-1-33

電話 045-413-1321

営業時間 10:00〜18:00

定休日 土日

日によって営業時間が変わることがあるのでご了承ください。

この記事を書いたひと

りさ

横浜生まれ、横浜育ちの3人の子どもの子育てに奮闘中のアクティブママです。
現在、神奈川区に住んでいて、美容や美味しいものを日々楽しんでいます!