窓辺に目がいく人の話。ルーミスト宮田さんの、はじまりの一歩【ルーミスト連載第1話】

ふと住宅街を歩いていると、カーテンのかかった窓が目に入ることがあります。

きれいに整えられた窓辺、少し気になる動きをしているレール。

そんな“なんでもない風景”を、つい立ち止まって見てしまう人がいます。

ルーミストの宮田さんも、そのひとりです。

「つい見ちゃうんですよね」と話すその姿からは、“仕事だから見ている”というよりも、自然とそうなってしまった時間の積み重ねを感じました。

新しいことを始めるという選択

ルーミスト宮田さん

もともと宮田さんは、洋服や着物の販売に携わってきた方でした。

人と接する仕事が好きで、長く続けてきた接客の道。

けれど、年齢を重ねる中で、ふと立ち止まる瞬間があったそうです。

このまま同じことを続けるのか。それとも、新しい分野に踏み出すのか。

さらに、子育て真っ只中の時期。

働き方にも制限がある中で、「近くで、短時間で」という条件も大切でした。

そんなときに出会ったのが、インテリアの販売スタッフという仕事。

「これだって思ったんです」

その言葉はとてもシンプルでしたが、いろいろな条件や想いが重なった“納得の選択”だったのだと伝わってきます。

何もわからないところからのスタート

ルーミストのランプシェード

とはいえ、インテリアの仕事はまったくの未経験。

最初は、知らないことばかりだったといいます。

専門用語、商品知識、提案の仕方。覚えることは山のようにありました。

それでも宮田さんは、接客の中で少しずつ学んでいきます。

「お客様の問いかけに答えられないのは失礼だと思って」

その一言に、この仕事への向き合い方がにじみます。

ただ商品を売るのではなく、“目の前の人の役に立ちたい”という気持ち。

わからないことをそのままにせず、一つずつ自分の中に積み重ねていく日々だったのだと思います。

少しずつ「提案」ができるようになるまで

インテリアの世界は、覚えたら終わりではありません。

新しい製品や仕様が、毎年のように増えていきます。

「覚えても覚えても、追いつかないんです」と話す宮田さん。

それでも続けてきた時間の中で、少しずつ変わってきた実感もあるそうです。

ただ説明するだけではなく、“こちらから提案できるようになったこと”。

それはきっと、知識の量だけではなく、お客様と向き合ってきた経験があってこそ生まれるものです。

同じカーテンでも、同じ答えはない

宮田さんが大切にしているのは、「よく話を聞くこと」。

一見すると同じカーテンの相談でも、年齢や家族構成、間取りによって求めているものはまったく違います。

「何を一番大切にしたいのかで、提案は変わってきます」

その言葉には、“正解を押し付けない姿勢”が感じられました。

誰かにとっての良いものが、そのまま別の誰かに合うとは限らない。

だからこそ、まずは聞く。そして、その人に合った形を一緒に探していく。

宮田さんの接客は、そんな丁寧な積み重ねでできているように思います。

街を歩くと、つい気になってしまうこと

この街で仕事をしていると、自然と目に入ってくるものがあります。

それが「窓辺」。

カーテンの動きやレールの状態、どこのメーカーなのかまで、つい気になってしまうそうです。

少し不具合がありそうな窓を見ると、「こうしたら良くなるかも」と考えてしまう。

逆に、素敵に演出されている窓辺を見ると、「こんな提案ができたらいいな」と想像が広がる。

それはもう仕事というより、日常の中に溶け込んだ“視点”なのかもしれません。

「ちょっと相談してみようかな」と思える存在へ

カーテンやインテリアは、毎日目にするものだけど、なかなか気軽に相談する機会は少ないものです。

「どこに相談したらいいかわからない」そんな方も多いのではないでしょうか。

宮田さんの話を聞いていると、特別な知識がなくても、ふらっと相談してみてもいいんだと思えてきます。

うまく言葉にできなくても大丈夫。なんとなくのイメージでもいい。

そんな余白を受け止めてくれる人がいる、という安心感。

それが、この仕事の大きな価値なのかもしれません。

窓の向こうにある、それぞれの暮らし

街の中には、たくさんの窓があります。

そしてその一つひとつに、それぞれの暮らしがあります。

同じ形の家でも、同じ間取りでも、そこに住む人が違えば、求めるものも違う。

宮田さんの仕事は、その違いにそっと寄り添うことなのだと思います。

派手さはないけれど、確かに誰かの暮らしを整えている仕事。

そんな一面が、少し見えた気がしました。

次回予告

窓辺を見てしまうようになった理由は、この街で過ごしてきた時間とも、きっと関係がありそうです。

次回は「この街との出会い」。

ルーミストとこの場所の関係を、もう少しだけたどってみたいと思います。

ルーミスト

営業時間 10:00~18:00

定休日  水曜・日曜日

住所   神奈川区神大寺1-12-15

電話   045-482-0063

Web   https://www.roomist.jp/

もっと人にフォーカス!ローカル連載

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