『ホントノデアイ』大人も子どもも本に出逢おう!オススメ本をご紹介♪【第2話】

目次

ホントノデアイ

不定期で本の紹介をさせていただく『ホントノデアイ』。

第2回目の今回も、お題から浮かんだ本を3冊ご紹介していきたいと思います。

今回のお題は『宝石』。

たまたま5月にお友だちの誕生日があり、『誕生石』のイメージからお題をちょうだいしました。

もし紹介した中に気になる本があったなら、本屋さんや図書館、学校図書館などに行って探してみてくださいね。

紹介した本はもちろん、違う本との新たな出逢いもあるかもしれません。

(なるべく横浜市立図書館にある本を選んでいます。予約すれば、移動図書館『はまかぜ号』でも受け取れますよ。)

本の紹介の後には、お題にまつわる、おまけのショートショート(短いおはなし)をどうぞ。

みなさんもよく知っている、あの場所が出てくるかもしれません。

オススメ本:お題『宝石』

  • 世界の鉱物・岩石・化石・貝 大図鑑
    スタジオタッククリエイティブ
    (図鑑 208頁)
  • あたまにつまった石ころが
    キャロル・オーティス・ハースト/文
    ジェイムズ・スティーブンソン/絵
    千葉茂樹/訳
    光村教育図書
    (絵本 32頁)
  • そいつの名前はエメラルド
    竹下文子/作 
    鈴木まもる/画
    金の星社
    (児童書 172頁)

※3冊とも横浜市立図書館にあります(2022年5月現在)

おまけのショートショート( 短いおはなし)

『宝石』

「…みどり!」

暗闇の中で小さな2人は、待ってましたとばかりに叫ぶ。

緑色の灯りがいちばん強く光った瞬間に、息を合わせて叫ぶのだ。

「次は…あか!」

赤色の灯りが強く光る。

息を凝らして待っていた2人の頬は、あんな遠くの灯台に照らされている訳でもないだろうに、興奮して真っ赤になっている。

高い塔の上で、緑と赤の灯りは薄くなったり強くなったりしながら数秒ごとに交互に現れるが、それが楽しくてもう何十ぺんも飽きることなく「みどり!あか!みどり!」と繰り返していた。

「ノリくん、楽しいね!」

この時間がいつまでも終わらなければいいのにな。塔のある海の方向を見つめながら、2人は心から思った。


同窓会の帰り道。

35系統の市営バスで、親切な若者の好意に素直に応えた桂子は座って楽ちんに帰ってきた。

揺れる車内でふと薬指を眺めると、年相応の皺が刻まれた指に載る誕生石のエメラルドは、夫にもらった当時と変わらず美しい緑色をしている。

ブザーが鳴り、年のわりにはきれいな立ち姿で車窓を眺めていた夫の教之は、桂子にめくばせした

神大寺入口の停留所で共にバスを降りた瞬間、桂子は突然思い出す。

幼いころ、この場所からマリンタワーが見えていたのだ。手前に高いビルが建つまでは。

まさかあの時のノリくんとこんなに長く一緒に居ることになろうとは思ってもみなかったが、あの日の願いは図らずも叶ったという訳だ。

次の願いは、エメラルド婚式まで二人で元気でいることである。

週末は娘の七瀬が孫を連れて久しぶりに帰ってくる。

そうだ、七瀬が小さい頃に好きだった駄菓子の指輪キャンディーを買っておこう。

赤と緑のをひとつずつ。

桂子はそう思いながら、夫の後を追った。

※おまけのショートショートに出てくる場所はわたしたちの住む町に実際にありますが、お話はフィクションであり、実在の人物や団体などとは関係ありません。

でも、かつてマリンタワーが神大寺入口バス停のあたりから見えていたいうのは本当の話だそうです。

ママゴト商店

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古本と、#ポシェット型ブックカバー #ホントモ はイベントか委託先で販売中。

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この記事を書いたひと

シノ

神大寺在住。気まぐれ古本屋『ママゴト商店』や『まちライブラリー@横浜キノコ文庫』など、本にまつわるアレコレでのんびりゆる〜く活動中。好きなモノは本とお笑いとビール。

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