「花を楽しめたんです」片倉町で野口さんが見つけた、この街との関係【エフルール 連載第2話】

片倉町で活動する、店舗を持たない花屋「エフルール」。

前回は、野口さんが会社員から独立し、花の仕事を始めた“はじまり”についてお聞きしました。

今回のテーマは、「この街との出会い」。

話を聞いていると、野口さんにとって片倉町は、ただ仕事をする場所ではなく、人とのつながりや、この街ならではの空気を少しずつ感じていった場所なのだと伝わってきました。


暮らしてみてわかった、この街の心地よさ

野口さんは現在、片倉町に住んでいます。

もともとはこの街の賃貸アパートで暮らしていたそうですが、住みやすさに惹かれ、その後、片倉町で家を購入しました。

横浜市内でありながら、どこか落ち着いた空気が流れている片倉町。

少し歩けば緑があり、季節の変化も感じやすい地域です。

「自然が多く残っていて、落ち着いているところが好きです」

そう話してくれた野口さんですが、実際に活動を始めてみると、この街の印象はさらに変わっていったそうです。


花の仕事を通して見えてきた地域の風景

エフルールでは、寄せ植えやフラワーアレンジメントだけでなく、地域の施設や学校などで花に関わる活動も行っています。

特に多いのが、高齢者施設や小学校、幼稚園などでのレクリエーションや講座です。

「この仕事を始めるまでは知らなかったんですが、この片倉町には高齢者施設が多いんです」

そう話す野口さん。

実際に活動を始めてから、地域のいくつかの施設へ足を運ぶようになり、お花や植物を使った時間を届ける機会が増えていったそうです。

花を囲みながら会話をしたり、季節を感じたり。

フラワーアレンジメントを通して自然と笑顔が生まれる場面も多いといいます。

店舗を構えないスタイルだからこそ、地域のさまざまな場所へ直接出向いていく。

その活動の中で、少しずつ地域との関係ができていったのかもしれません。


「お祝い」だけじゃない花の役割

花というと、誕生日や記念日を思い浮かべる人も多いかもしれません。

もちろん、お祝い事や贈り物として利用されることも多いそうです。

学校関係では授業の一環として使われることもあります。

でも野口さんの話を聞いていると、花の役割はもっと日常の中にあるものなんだなと感じます。

高齢者施設でのレクリエーション。

地域の講座。

季節ごとの寄せ植え。

誰かにとっては、その時間が「今月の楽しみ」になっていることもあるそうです。


忘れられない、一人の女性のこと

話の中で、野口さんが静かに教えてくれた出来事がありました。

ある高齢者施設で、毎月フラワーアレンジメントに参加していた女性がいたそうです。

1年以上、毎月欠かさず参加してくれていたとのこと。けれど、ある日突然、その方が亡くなられたと聞きました。

後日、ご家族と施設で会う機会があり、そのとき娘さんからこんな言葉をかけられたそうです。

「母は最後までお花を楽しむことができました」

その言葉を聞いたとき、野口さんは、ご本人だけでなく、ご家族にも少し喜んでもらえる時間を届けられていたのかもしれないと感じたそうです。

この話を聞きながら、花の仕事というより、“人と時間に関わる仕事”なんだなと思いました。

花そのものを売るだけではなく、その時間をどう過ごしたか、誰と笑ったか、何を感じたか。

野口さんが地域の中で届けているのは、そういうものなのかもしれません。


地域のつながりが、ちゃんと残っている

片倉町や神大寺エリアについて話していると、野口さんは「地域のつながりが強いところも素敵です」と話してくれました。

確かにこの地域は、昔ながらの空気感がどこか残っています。

イベントや地域活動も多く、歩いていると知り合いに会うこともある。

人との距離が近い街です。

店舗を持たないエフルールの活動が少しずつ広がっているのも、こうした地域性があるからなのかもしれません。

紹介でつながったり、口コミで広がったり。

“地域の中で知ってもらう”という広がり方が、この街には自然とあるように感じます。


花をきっかけに、人が少し近くなる

花は、必需品ではないかもしれません。

でも、花があることで会話が生まれたり、気持ちがやわらいだりすることがあります。

誰かと一緒にアレンジメントをつくる。

寄せ植えを眺めながら話をする。

そういう時間の積み重ねが、人と人の距離を少し近づけているのかもしれません。

野口さんは、そんな場面を、この街の中で少しずつ増やしている人なんだと思います。


次回予告

地域の中で少しずつ広がってきたエフルールの活動。

でも、その裏側には、花を扱う仕事ならではの難しさや、見えない工夫もたくさんあるそうです。

次回は、「仕事の裏側」。

店舗を持たない花屋として、野口さんがどんな毎日を過ごしているのかを聞いてみたいと思います。

et Fleur

場所 神奈川区片倉4-25-3
※事務所&工房の為、店舗ではありません

電話:090-2152-3234

HP:https://et-fleur.com

Eメール:info@et-fleur.com

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もっと人にフォーカス!ローカル連載

地域の人やお店、活動している人の“想い”や“日常”を、少しずつ深く知ることができるのが連載記事の楽しさです。
このコーナーでは、神大寺・片倉エリアでがんばる人たちやお店のストーリー、地域の取り組み、暮らしのヒントなどを、シリーズ形式でお届けしていきます。

一度読んで終わりではなく、回を重ねるごとに少しずつ見えてくる背景や人柄。
そんな“地域の物語”を、ゆっくり楽しんでいただけたらうれしいです。

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