横浜の畑と食卓が出会う場所。「メルカートかながわ」ってどんなところ?【メルカートかながわ 連載第1話】

横浜で暮らしていても、「横浜でつくられた野菜」をどれくらい意識して食べているだろう。
私はというと、スーパーで買い物をするときは値段や献立に気を取られて、産地までじっくり見ていないことも多い。けれど、身近な場所で誰かが育てた野菜が、その日のうちに店頭へやってくる。そんな場所が近くにあると知ると、いつもの買い物もちょっと違って見えてくる。
今回から全12回でご紹介するのは、JA横浜「ハマッ子」直売所 メルカートかながわ。
第1回は、店長の柿原さんに、まず「メルカートかながわってどんな場所なんですか?」というところからお話を伺いました。
少しの野菜でも、届けられる場所を

メルカートかながわは、小規模な農家さんでも、わずかな出荷量から農産物を販売でき、所得の向上につながる場所として設けられた直売所です。
売り場の中心に並ぶのは、地元の生産者さんが育てた旬の野菜や果物。ほかにも牛肉や豚肉、加工品、花、野菜苗などが並びます。一部県外産の商品もありますが、横浜市内でつくられたものも数多く扱われています。
そして何より特徴的なのが、その鮮度。
柿原さんが話してくれた、
「野菜達が畑から抜かれたことに気付かない程の新鮮さです」
という言葉が、とても印象に残りました。
この言葉を聞いた途端、メルカートかながわに並ぶ野菜が一気に魅力的に感じられて、「それはちょっと食べてみたい」と思ってしまいました。
商品が売れると、追加で採れたての野菜を持ってきてくれる農家さんもいるそうです。ついさっきまで畑にあったものが、そのまま売り場に並ぶこともある。
「いつ行っても何でもある」とは少し違う。でも、その日に、その季節に採れたものと出会える。それも直売所ならではの面白さなのかもしれません。
野菜のことは、作った人と食べた人から教わる

メルカートかながわでは、農家さん自身が採れたての野菜を出荷しにやってきます。
柿原さんによると、スタッフと生産者さんは日頃から意見交換をしていて、スタッフ自身も実際に商品を食べる機会が多いそうです。
だから、見慣れない野菜を前にして、
「これ、どうやって食べるんだろう?」
となったときも、気軽に聞いて大丈夫。
柿原さんは、スタッフの皆さんについて「当店の農家さんのファンです」と話してくれました。
同じ野菜がいくつも並んで迷ったときには、おすすめを聞いてみるのもよさそうです。
そしてお話の中で、もうひとつ印象に残ったのが、お客さんとのこんなやり取りでした。
おすすめした野菜を買ったお客さんが、後日「この前紹介してくれた野菜、とても美味しかったわよ」と戻ってくる。
スタッフがその声を農家さんに伝えると、「今日は追加できるから、足りなかったら連絡頂戴!」と返ってくる。
柿原さんは、そんな瞬間を「この仕事をしている上で最高の瞬間です」と話します。
農家さんがつくる。スタッフが伝える。お客さんが食べる。その感想がまた農家さんへ戻っていく。
売り買いだけでは終わらない、小さな循環がここにはあるようです。
「今日は何があるかな」を楽しみに

旬の時期になると、きゅうりやなす、じゃがいもなど、同じ野菜でも5〜6種類の商品が並ぶこともあるそうです。
葉付きの大根や人参、鮮度が落ちるとしおれやすい花オクラなど、直売所だからこそ出会いやすいものも。
これからの季節には地元産の新米も入荷予定で、羽釜を使った試食販売や、すくいどりなどもできたらと考えているそうです。
柿原さんは、「近隣のスーパーさんのように、いつでも何でも揃うお店ではありません」と話します。
でも、だからこそ「今日は何があるんだろう」と覗いてみる。
そのくらいの気軽さが、この場所には似合う気がします。
野菜嫌いのお子さんがいて困っている方にも、「ぜひ相談してください」とのこと。食べやすい方法や、おいしい食べ方を教えてもらえるそうです。
まずは野菜を買いに。そして、ときには野菜の話をしに。
柿原さんたちとそんなやり取りをしながら買い物ができるのも、メルカートかながわの楽しさのひとつなのかもしれません。
次回予告
私たちがお店を訪れる頃には、当たり前のように並んでいる色とりどりの野菜たち。
でも、その売り場ができあがるまでには、どんな朝があるのでしょう。
次回は、普段はなかなか見ることのできない開店前のメルカートかながわへ。
農家さんが野菜を届けてから、お店が開くまでを覗いてみます。
JA横浜「ハマッ子」直売所 メルカートかながわ
住所:横浜市神奈川区神大寺2-19-15
電話:045-481-3913
営業時間:8:30~17:00
定休日:毎月第2火曜日、年末年始ほか
もっと人にフォーカス!ローカル連載
地域の人やお店、活動している人の“想い”や“日常”を、少しずつ深く知ることができるのが連載記事の楽しさです。
このコーナーでは、神大寺・片倉エリアでがんばる人たちやお店のストーリー、地域の取り組み、暮らしのヒントなどを、シリーズ形式でお届けしていきます。
一度読んで終わりではなく、回を重ねるごとに少しずつ見えてくる背景や人柄。
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