【神大寺・片倉 まち歩き④】子育てから始まった地域とのつながり。かなーちえ施設長・東田信子さんの歩み

神大寺・片倉エリアで活動する人や、地域の魅力を訪ねる連載企画「神大寺・片倉 まち歩き」。
第4回は、かんだいじナビエリアにお住まいで、神奈川区地域子育て支援拠点「かなーちえ」の施設長を務める東田信子さんをご紹介します。
神奈川区で子育てを経験した方なら、一度は「かなーちえ」の名前を耳にしたことがあるのではないでしょうか。
親子が気軽に遊びに行ける場所であり、子育ての悩みを相談できる場所。
そして、地域の人たちとつながるきっかけにもなる、子育て家庭の心強い存在です。
今回は、そんな「かなーちえ」で長年活動を続けてきた東田さんに、子育て支援に関わるようになったきっかけや、地域とのつながりについてお話を伺いました。
子育て中に感じた「社会とつながりたい」という思い

東田さんが地域活動に関わるようになったのは、ご自身の子育てがきっかけでした。
39歳で出産し、子育てに向き合う日々。
当時は子育てに対してさまざまな思いを抱え、どこかモヤモヤした気持ちもあったといいます。
子育て中心の生活を送る中で、強く感じていたのが「社会とつながっていたい」という思いでした。
そんな東田さんが足を運んでいたのが、片倉三枚地域ケアプラザや片倉うさぎ山プレイパークなど、地域の親子が集まる場所。
そこで出会ったのが、子育て支援者として活動していた塚原泉さんでした。
塚原さんは、現在「かなーちえ」を運営するNPO法人親がめの理事長であり、前施設長でもあります。
東田さんは、子育てをしながら地域活動にも参加するようになり、子育て情報を届けるフリーペーパー「SOWSOW」の制作にも携わりました。
当時1歳のお子さんを連れての地域活動が、楽しみになっていました。
子育ての当事者として地域と関わり、少しずつ活動の幅を広げていった東田さん。
その経験が、現在の仕事へとつながっていきます。
地域活動から、子育てを支える仕事へ

東田さんが「かなーちえ」で働き始めたのは、2010年でお子さんが5歳と2歳の頃。
2007年に開設された「かなーちえ」で、子育て家庭を支える活動に携わるようになりました。
大きな転機となったのが、2015年2月に始まった「横浜子育てパートナー」のモデル事業でした。
神奈川区の「かなーちえ」は、市内18区に先駆けてこの事業を実施。
子育て家庭のさまざまな悩みを受け止め、必要な情報や支援につなぐ相談窓口が設けられました。
以前、精神科のソーシャルワーカーとして働いていた東田さんは、その経験と社会福祉士の資格を生かして利用者支援専任スタッフを担当することに。
当時は月平均20件ほどの相談を受けていたそうですが、相談内容は育児に限らず、親の介護や人間関係など、保護者自身の悩みにも及びました。
大切にしてきたのは、一人ひとりの話に耳を傾け、悩みの背景まで理解すること。
また、この事業では、地域の人や施設、子育てサークルなどとの連携も重視されています。
地域活動から始まり、人と人をつなぐことを大切にしてきた東田さんにとって、これまでの経験を生かせる仕事でもありました。
その後、2021年に開設された「かなーちえサテライト」の立ち上げにも携わり、2024年からは施設長として運営を担っています。
地域で親子を見守る「すくすくかめっ子」

東田さんの活動は、「かなーちえ」の施設内だけにとどまりません。
2013年には、下三枚町で「すくすくかめっ子」の活動の立ち上げにも携わりました。
「すくすくかめっ子」は、町内会館など地域の身近な場所を活用し、親子が自由に集まって過ごせる取り組みで、現在神奈川区内43か所で開催されています。
2001年に始まったこの活動は、長年にわたり神奈川区の子育て家庭を支えてきました。
東田さんが下三枚町で活動を始めた当時、すでに「すくすくかめっ子」の存在は地域にも知られており、自治会の皆さんも快く迎えてくれたそうです。
子育て中の仲間や先輩たちと協力し、月に一度、月曜日に開催することになりました。
現在は、子育てを終えた世代をはじめ、地域の年配の方々が中心となって活動を支えています。
親子が地域の人と出会い、顔見知りが増えていく。
子どもの成長を家族だけでなく、まちの人たちも見守ってくれる。
そんな温かなつながりが、地域の中で受け継がれています。
「すくすくかめっ子」が横浜・人・まち・デザイン賞を受賞

2026年には、親子のたまり場「すくすくかめっ子」が「第12回横浜・人・まち・デザイン賞」の地域まちづくり部門で本賞を受賞しました。
地域の人たちが担い手となり、親子の交流や子育てを長年支えてきた活動が評価されたものです。
同じく地域で活動する「まち×学生プロジェクトplus(まちかけ)」のキャンドルナイトも受賞。
実は、かんだいじナビも2024年に「横浜・人・まち・デザイン賞」を受賞しています。
こうして地域で活動する仲間たちの取り組みが評価されることは、私たちにとってもうれしい出来事です。
「すくすくかめっ子」では、活動を支える担い手も随時募集しています。
興味のある方は「かなーちえ」にお問い合わせください。
一日約100人が訪れる、子育て家庭の居場所「かなーちえ」

東神奈川にある「かなーちえ」は、妊娠中の方や未就学児とその家族が、気軽に利用できる地域子育て支援拠点です。
広場で子どもを遊ばせたり、保護者同士でおしゃべりを楽しんだり、スタッフにちょっとした悩みを相談したり。
特別な用事がなくても、ふらっと立ち寄れる場所です。
東田さんによると、一日の利用者は平均約50組、100人ほど。
子育てに関する情報提供や相談、さまざまなプログラムの開催などを通じて、多くの家庭を支えています。
また、入江・新子安には「かなーちえサテライト」があり、沢渡や羽沢でも出張ひろばを開催しています。
取材当日は、社会教育士の資格取得を目指して実習に来ていた大学3年生の学生さんにもお話を伺いました。
実習を通して、親子が安心して利用できる場所が地域にあることを知り、「こういう場所を、もっと多くの人に知ってもらえたら」と話してくれました。
子育て中は、誰かと話すだけで気持ちが軽くなることもあります。
子どもと一緒に安心して過ごせる場所があること、困ったときに相談できる人がいること。
「かなーちえ」は、そんな日々の子育てを支える場所のひとつです。
子育てを支える人と人のつながりを、これからも

実は、私自身も2人の子どもを育てる中で、「かなーちえ」や「すくすくかめっ子」には大変お世話になりました。
子育て中の親にとって、気軽に足を運べる場所や、相談できる人がいることがどれほど心強いか。
今回、東田さんのお話を伺いながら、当時のことを懐かしく思い出しました。
また先日、片倉台団地の「すくすくかめっ子」を取材させていただいたので、次回詳しくご紹介させていただきたいと思っています。
地域の中で人と人をつなぎ、子育てを支える活動を長年続けてきた東田さん。
その歩みからは、子育てを一人で抱え込まず、地域の人たちとつながることの大切さが伝わってきます。
かんだいじナビでも、これから地域の子育て情報を少しずつ充実させていきたいと考えています。
子育て中の皆さんはもちろん、子育てを応援したい地域の皆さんにも、こうした活動を知っていただけたらうれしいです。


神奈川区地域子育て支援拠点「かなーちえ」
住所:横浜市神奈川区東神奈川1-29 東部療育ビル3階
開館時間:火~土曜日 9:30~15:30
休館日:日・月曜日、祝日、年末年始など
利用料:無料
対象:未就学児とその家族、妊娠中の方とその家族、地域で子育てを応援している方
電話:045-441-3901
※利用には所定の登録が必要です。
※最新の利用案内やイベント情報は公式サイトをご確認ください。
公式サイト:https://kana-chie.com/
運営:特定非営利活動法人 親がめ

この記事を書いたひと
あっきー
神奈川区在住。23,21歳の子、夫の4人暮らし。おいしいものやたのしいことなどのオススメ情報をオススメするのが好きです。

