完成した家の前に、たくさんの「見えない仕事」がある。【ワカバヤシ連載第3話】

家が完成すると、多くの人の目に入るのは、きれいな外観や心地よいリビングです。
でも、その家が建つまでには、完成したあとには見えなくなる仕事が数多くあります。
図面を描くことだけでもなければ、現場で工事を進めることだけでもありません。
「この家は本当に安全に建てられるか」「この土地で快適に暮らせるか」を、一つずつ確認しながら積み重ねていく時間があります。
ワカバヤシ連載の第3回は、「住まいづくりのうらがわ」。
今回お話を伺ったのは、建設部で4年目を迎えた住田駿真さんです。
設計業務を担当する住田さんに、普段はお客様から見えにくい仕事について聞いてみました。
目次
お客様との打ち合わせが終わってから始まる仕事

住田さんの仕事は、お客様から伺ったご要望をもとに住宅のプランを考えることから始まります。
しかし、図面が完成したからといって、そこで仕事が終わるわけではありません。
建物の構造は問題ないか。
省エネルギー性能は基準を満たしているか。
法律に沿って建築できる計画になっているか。
そうした内容を確認し、「確認申請」と呼ばれる手続きを進めていきます。
お客様との打ち合わせが終わり、内装や設備の相談を別の担当へ引き継いだあとに進めることが多いため、この工程はほとんど知られることがありません。
「家づくりって、打ち合わせをして工事が始まるだけじゃないんですね。」
そう思う方も多いかもしれません。
けれど、見えないところで行われる確認があるからこそ、安心して暮らせる住まいにつながっています。
最初に見るのは、間取りではなく「土地」
住田さんが住まいづくりで最も重要だと考えている準備があります。
それは、計画地を細かく分析することです。
道路から建物はどのように見えるのか。
家の中からは、どんな景色が広がるのか。
日当たりや風通しはどうか。
さらに将来、周辺に新しい建物が建った場合でも、暮らしやすさは保てるのか。
設計というと、机に向かって図面を描くイメージがあります。
でも実際は、その土地を知ることから始まる仕事なのだそうです。
土地には一つひとつ違う個性があります。
だからこそ、同じ家をそのまま建てるのではなく、その場所だからできる住まいを考えることが大切になります。
広さではなく、「暮らし」を描く

住田さんが設計で意識していることがあります。
それは、「数字」ではなく、「暮らし方」から考えることです。
例えば20帖のLDK。
「20帖あるから家具を配置する」のではなく、
「どんな時間を過ごしたいか」を先に考えるそうです。
家族で食卓を囲む時間。
ソファでくつろぐ時間。
子どもが遊んだり勉強したりする場所。
そうした暮らしをイメージしながら必要な広さを積み重ねていくと、結果として20帖という数字になる。
数字を合わせるのではなく、暮らしに合わせる。
その考え方が、住田さんの設計にはあります。
建物よりも、人と向き合う仕事

「この仕事の面白さは何ですか。」
その質問に対して、住田さんは「住まいには、その人の価値観や人生観が映し出される」と話してくれました。
同じ広さの家でも。
同じ家族構成でも。
完成する住まいは一つとして同じではありません。
料理を楽しみたい人。
休日は家でゆっくり過ごしたい人。
友人を招く機会が多い人。
暮らし方が違えば、理想の住まいも変わります。
だから設計をしていると、「建物をつくっている」というより、「一人ひとりの個性」と向き合っている感覚になるそうです。
この言葉が、とても印象に残りました。
住まいづくりとは、家を建てることではなく、その人らしい暮らしを形にすること。
住田さんが話す設計の仕事は、そんな温度を感じるものでした。
見えないからこそ、大切にしたい仕事

完成した住まいだけを見ていると、その裏側にある仕事にはなかなか気づきません。
土地を歩いて確認すること。
構造や法律をチェックすること。
何年先の暮らしまで想像して設計すること。
そうした一つひとつが積み重なって、一軒の家になります。
住田さんのお話を聞いていると、「見えない仕事」は決して裏方ではなく、住まいづくりの土台そのものなのだと感じました。
次回予告
次回は「実は大変なこと」がテーマです。
家づくりは、多くの人が関わるからこそ、思い通りに進まないこともあります。
現場ではどんな判断が求められ、どんな苦労があるのでしょうか。
次回は、また別の社員の視点から、住まいづくりのリアルをお届けします。
株式会社ワカバヤシ
もっと人にフォーカス!ローカル連載
地域の人やお店、活動している人の“想い”や“日常”を、少しずつ深く知ることができるのが連載記事の楽しさです。
このコーナーでは、神大寺・片倉エリアでがんばる人たちやお店のストーリー、地域の取り組み、暮らしのヒントなどを、シリーズ形式でお届けしていきます。
一度読んで終わりではなく、回を重ねるごとに少しずつ見えてくる背景や人柄。
そんな“地域の物語”を、ゆっくり楽しんでいただけたらうれしいです。
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