年末にご挨拶に伺えることが嬉しい。家を建てたお客様との、その後【ワカバヤシ連載第5話】

年末になると、以前家を建てたお客様のもとへ、挨拶に伺うことがあります。
お引き渡しを終えてから、しばらく時間が経ったお客様の暮らしを訪ねる。
新しい住まいでどのように過ごされているのか、その様子を伺えることを、田島健さんは嬉しく感じているそうです。
家を建てるまでの時間だけでなく、その後の暮らしにも関わることがある。
それも、住まいの仕事の一つなのかもしれません。
ワカバヤシ連載の第5回は、「印象に残っているお客様」。
営業部の田島さんに、これまで関わってきたお客様の中で、特に心に残っている出来事について伺いました。
一日でも早く、安心して暮らせる家を

田島さんが特に印象に残っているのは、もらい火によってご自宅を失われたお客様です。
突然、自分の家を失う。
それまでの日常が一変し、「これからどう暮らしていくのか」を考えなければならなくなります。
そのお客様が持っていたのは、「一日でも早く安心して暮らせる家を建てたい」という強い思いでした。
田島さんは、手続きや打ち合わせを一つずつ進めながら、お客様の話を聞き、できるだけ不安を減らしていけるようサポートしていきました。
家の間取りや設備を決めることだけが、家づくりではない。
今、この人は何に困っているのか。
何を一番不安に感じているのか。
そこから考えることも、営業の仕事なのだと感じた経験だったそうです。
そして無事に新しい家が完成したとき、安心されたお客様の表情を見て、田島さん自身も、この仕事の責任の大きさとやりがいを改めて実感しました。
「家を建てる理由」は、きれいな話ばかりじゃない

もう一つ、心に残っているお客様がいます。
横浜市の道路拡張事業によって、ご自宅の建て替えが必要になった方です。
家を建て替える。
言葉にすると、それだけのことに聞こえるかもしれません。
けれど、長く暮らしてきた家には、その人の生活があります。
思い出もあれば、「できればこのまま住み続けたい」という気持ちもあるでしょう。
今回は、お客様自身が選んだタイミングでの建て替えではありませんでした。
だからこそ田島さんは、行政との調整を重ねながら、お客様の希望をできる限り実現できるように、一つひとつ話を進めていきました。
条件が決まっているから、その中で家をつくる。
それだけではなく、「この人にとって、どんな住まいなら納得できるのか」を考える。
住まい探しには、表からは見えない事情がある。
田島さんが印象に残っているのは、完成した家だけではなく、そこへたどり着くまでの時間なのかもしれません。
家が完成したあとも、お客様とのつながりは続く

田島さんが話してくれた中で、印象に残ったのが「その後」の話です。
お引き渡しが終われば、家づくりとしてはひと区切り。
けれど、田島さんはその後も、年末のご挨拶などでお客様のもとを訪ねています。
新しい家でどんなふうに暮らしているのか。
その後、変わったことはないか。
そんなお客様のご様子を伺えることを、田島さんは嬉しく感じているそうです。
家を建てる仕事は、完成したらすべて終わり、というものではありません。
お客様が新しい住まいで暮らし始めたあと、その暮らしの様子を知ることができる。
それもまた、住まいに関わる仕事の嬉しさの一つなのかもしれません。
そして田島さんがこの仕事の魅力として挙げるのが、「お客様の人生に大きく関わることができる」ということ。
住まいを考える大きな節目に関わり、その後の暮らしにも思いを寄せる。
そんな関わり方が、田島さんにとって仕事を続ける理由の一つになっています。
人と会うことが、好きなのかもしれない
田島さんは、たくさんの人と関わりながら、よりよい提案をしていくことが好きだといいます。
「家」という商品だけを見れば、一つの建物です。
でも、相談に来る人は一人ひとり違う。
家族構成も、暮らし方も、困っていることも、これから叶えたいことも違います。
だから毎回、同じ提案になるわけではありません。
話を聞いて、考えて、提案して、また話を聞く。
その中で、お客様に喜んでもらえる。
その積み重ねが、田島さんの日々のモチベーションになっているそうです。
もしかすると、田島さんが好きなのは「家を売ること」よりも、「人と関わりながら、一緒に答えを探していくこと」なのかもしれません。
「お客様のおかげです」と言えること

最後に、もしこれまでのお客様に伝えたいことがあるとしたら、と聞きました。
返ってきたのは、少し照れくさそうな言葉でした。
「ワカバヤシは、来年で70周年を迎えます。
ここまで続けてこられたのは、お客様のおかげ。
これからもできるだけ長く続けていきたいので、今後ともよろしくお願いします。」
長い年月を振り返ったとき、会社に残るのは建物の数だけではないのかもしれません。
そこには、一軒一軒のお客様との出会いがあります。
火事をきっかけに、新しい暮らしを始めたご家族。
街の変化を受け入れながら、新しい住まいを選んだご家族。
そして、その家を建てたあとも、ときどき顔を合わせるお客様。
それぞれに異なる事情があり、その一つひとつに向き合いながら、住まいを形にしていく。
今回のお話から見えてきたのは、そんな田島さんの仕事の風景でした。
次回予告
次回は「この仕事の好きなところ」。
住まいの仕事を続ける中で感じる「好き」を伺います。
同じ仕事でも、そこに感じる魅力は人によって違うもの。
次回は、また別の社員の方から、その魅力を探ります。
株式会社ワカバヤシ
もっと人にフォーカス!ローカル連載
地域の人やお店、活動している人の“想い”や“日常”を、少しずつ深く知ることができるのが連載記事の楽しさです。
このコーナーでは、神大寺・片倉エリアでがんばる人たちやお店のストーリー、地域の取り組み、暮らしのヒントなどを、シリーズ形式でお届けしていきます。
一度読んで終わりではなく、回を重ねるごとに少しずつ見えてくる背景や人柄。
そんな“地域の物語”を、ゆっくり楽しんでいただけたらうれしいです。
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