見えないところで、今日の食卓を支える準備がある|仕事の裏側【YYファミリーキッチン 連載第3話】

YYファミリーキッチン

保育園のお迎えの時間に、夕食のおかずやミールキットを受け取れる。

そう聞くと、とてもシンプルな仕組みに感じるかもしれません。

でも、その“夕方のちょっと助かる”が届けられるまでには、実はたくさんの準備があります。

第1回では、籔本由美さんがこの仕事を始めたきっかけを。第2回では、YYファミリーキッチンがこの街の日常とどうつながっているのかを伺いました。

今回は少し視点を変えて、普段は見えにくい「仕事の裏側」をのぞいてみます。

一日は、事務仕事から始まる

事務仕事

YYファミリーキッチンの仕事は、販売の日だけが本番ではありません。

籔本さんの一日は、午前中の事務仕事から始まります。

仕入れや発注、在庫の確認、LINEでの予約注文の管理、Instagramでの発信、販売に向けた準備。

夕食支援というと、どうしても「商品を届ける場面」に目がいきますが、その前には細かな確認作業が積み重なっています。

午後には、加工工場へミールキットを取りに行くこともあります。

事務所兼倉庫では、冷凍食品の管理をしながら、それぞれの園に向けた準備を進めていきます。

そして販売先の園へ向かい、終わったらまた事務所へ戻る。片付けをして、翌日の準備をして、一日が終わります。

華やかさというより、地道さ。でも、その地道な積み重ねがあるからこそ、夕方の園で「今日はこれにしよう」と手に取れる商品が並ぶのです。

園に向かう前の、いくつもの準備

普段の準備で大切なのは、商品をそろえることだけではありません。

どの商品がどれくらい必要なのか。

予約注文は入っているか。

在庫は足りているか。

販売先の園に合わせて、どんな準備が必要か。

そうした一つひとつを確認しながら、販売の日を迎えます。

また、YYファミリーキッチンでは、保育園、幼稚園、こども園などに訪問し、夕食支援事業について話をする営業活動も行っています。

まだこの取り組みを知らない園も多くあります。だからこそ、「夕食支援とは何か」「保護者の方にどんな形で役立つのか」を、丁寧に伝えていくことも大切な仕事のひとつです。

籔本さんは、応援してくれる園との出会いも大切にしながら、少しずつ活動の場を広げているんですね。

見えないこだわりは、材料の選び方に

YYファミリーキッチンの商品には、見た目だけでは伝わりにくいこだわりがあります。

たとえば、ミールキットや紙包みのお野菜には、農薬を使わないものを選んでいるそうです。また、減農薬で添加物が少ないもの、質の良いものを使うことも大切にしています。

忙しい日に使うものだからこそ、安心して食べられること。

手軽さだけでなく、食卓に出すものとして納得できること。

そのあたりに、保育の現場で食育に関わってきた籔本さんらしさを感じます。

さらに、包装はできるだけ簡易に。

ゴミを少なくし、エコにもつながる形を意識しています。

便利さを届けるだけではなく、食べる人のこと、家庭のこと、環境のことも少しずつ考える。

そうした小さな配慮が、商品の裏側にあります。

「夕食支援って何ですか?」から始まる

保育園での受け取り

一方で、まだまだ知られていないこともあります。

籔本さんのもとには、「夕食支援って何ですか?」という質問がよく届くそうです。

保育園や幼稚園、こども園で、手軽に時短調理の夕食を販売している。

そう説明しても、初めて聞く方には少しイメージしづらいかもしれません。

「園で食べるものなのかな?」

「給食とは違うのかな?」

「家に持ち帰るものなのかな?」

そんなふうに、最初は伝わりにくい部分があります。

でも、実際に買って食べた方からは、便利さや美味しさを感じて、リピーターになってくださる方も多いそうです。

一度使ってみると、「あ、こういうことか」と暮らしの中で実感できる。

YYファミリーキッチンの仕事は、まだ言葉だけでは伝わりにくい新しい選択肢を、少しずつ地域の日常に届けていく仕事でもあるのだと思います。

販売の日に見える、家庭の風景

籔本さんが販売先で見ているのは、商品を買う人の姿だけではありません。

親子でメニューを選ぶ姿。

「今日はこれがいい」と子どもが指をさす様子。

保護者の方が「これがあると助かるんです」と声をかけてくれる瞬間。

そうした何気ないやりとりの中に、この仕事の意味が見えてきます。

冷凍おかずやミールキットは、ただ食卓に並ぶものではありません。

その前に、親子で選ぶ時間があり、帰り道があり、家で温めたり、一緒に作ったりする時間があります。

裏側の準備は、すべてその時間につながっている。

そう考えると、仕入れや在庫管理、発注といった作業も、ただの事務作業ではなくなってきます。

地道な仕事が、誰かの「助かった」になる

YYファミリーキッチンの裏側には、特別に派手な物語があるわけではありません。

朝から確認をして、準備をして、商品を取りに行き、園へ向かう。終わったら片付けて、また次の日の準備をする。

一見すると、とても地道です。

けれど、その積み重ねの先に、

「今日はごはんの心配をしなくて済んだ」

「買い物に行かずに帰れた」

「子どもと一緒に選べた」

という家庭の時間があります。

仕事の裏側を知ると、夕方に並ぶひとつのおかずにも、少し違った見え方がしてきます。

今回、籔本さんの仕事の流れを聞いて感じたのは、YYファミリーキッチンは“届ける前”の時間をとても大切にしているということでした。

  • 材料を選ぶこと。
  • 在庫を確認すること。
  • 園に向けて準備すること。
  • まだ知らない人に、丁寧に説明すること。

どれも表には見えにくい仕事ですが、その一つひとつが、保護者の方の「助かった」につながっています。

そして、こうした裏側を知ると、次に気になってくるのは、やはり大変さの部分です。

新しい取り組みだからこそ伝わりにくいこと、続ける中で悩むこともきっとあるはずです。

次回予告

次回は「実は大変なこと」。

YYファミリーキッチンの仕事を続ける中で感じている難しさや、それでも前に進んできた理由について伺っていきます。

前回の記事もご覧ください。

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