「あなたがいてくれてよかった」その一言が今も残っている【太陽の家横濱羽沢 連載第2話】

太陽の家横濱羽沢

前回は、太陽の家横濱羽沢の施設長・平塚裕之さんに、この仕事を選んだきっかけや歩んできた道のりについて伺いました。

今回は、実際に利用者様と日々向き合う現場スタッフのお話です。

お話を伺ったのは、特別養護老人ホーム太陽の家横濱羽沢で働く、勤続6年目の村本優里さん。

介護の仕事は、人との出会いの連続です。

その中には、忘れられない言葉や、人生観を変えるような出来事もあります。

村本さんがこれまでに出会った方々との関わりを通して見えてきた、この仕事の大切な一面をお届けします。

なかなか縮まらなかった距離

太陽の家横濱羽沢スタッフ 村本さん

村本さんに、これまで関わった中で印象に残っている利用者様について尋ねると、真っ先に名前が挙がったのは、介護の仕事を始めて最初に担当した方でした。

新人だった当時は、毎日が手探りの連続。

利用者様との接し方にも自信がなく、どうすれば安心してもらえるのか、どう声をかければよいのか悩むことも多かったそうです。

その方は、最初から気さくに話してくださるタイプではありませんでした。

コミュニケーションを取るだけでも精一杯で、「ちゃんと関われているのだろうか」と不安になる日もあったといいます。

それでも、毎日の挨拶や何気ない会話を大切にしながら、少しずつ関わりを重ねていきました。

特別なことをしたわけではありません。

ただ、その方のそばにいて、日々の時間を共有し続けました。

すると少しずつ表情が和らぎ、会話も増えていったそうです。

人との距離は、一気に縮まるものではないのかもしれません。

だからこそ、その変化は村本さんにとって大きな喜びとなりました。

「あなたがいてくれてよかった」の重み

そんな日々を重ねる中で、ある時、その利用者様から思いがけない言葉をかけられました。

「あなたがいてくれてよかった」

村本さんにとって、その言葉は今でも忘れられない宝物のような存在だそうです。

介護の仕事には、食事や入浴のお手伝いなど、目に見える支援があります。

一方で、人と人との信頼関係は数字では表せません。

どれだけ相手の気持ちに寄り添えたか、どれだけ安心してもらえたかは、形として残るものではないからです。

だからこそ、その一言が胸に深く残りました。

利用者様の暮らしを支えるだけでなく、その方との関係が少しずつ育っていたことを実感できた瞬間だったのです。

初めてのお看取りで感じたこと

村本さんには、もう一つ忘れられない経験があります。

それは、初めてのお看取りでした。

利用者様の体調が少しずつ変化し、以前のような元気な姿が見られなくなっていく日々。

何度経験しても簡単に受け止められることではありませんが、初めての経験だった当時は、戸惑いや悲しさも大きかったといいます。

介護の仕事というと、生活を支えるイメージを持つ方が多いかもしれません。

もちろんそれも大切な役割です。

けれど現場では、その方の人生の最終章に寄り添う場面もあります。

その利用者様は、ご家族に見守られながら穏やかな表情で旅立たれました。

その姿を見た時、村本さんの中で介護という仕事への見方が少し変わったそうです。

日常生活を支えるだけではない。

その人らしく生きる時間を支え、人生の最後まで寄り添う仕事なのだと強く感じたといいます。

「ありがとう」が教えてくれること

介護の現場では、毎日ドラマチックな出来事が起こるわけではありません。

むしろ多くの時間は、日常の積み重ねです。

食事のお手伝いをすること。

体調を気にかけること。

何気ない会話を交わすこと。

そうした一つひとつの積み重ねの中で、利用者様から向けられる笑顔や「ありがとう」の言葉があります。

村本さんは、その瞬間が何よりもうれしいと話します。

忙しい日もあります。

思うようにいかない日もあります。

それでも、その一言に励まされ、「また頑張ろう」と思えるのだそうです。

特別な賞状や評価ではなく、目の前の人から直接伝わる感謝の言葉。

それが介護の仕事の大きなやりがいになっています。

人生に寄り添うという仕事

介護施設というと、「自分にはまだ関係ない」と感じる方もいるかもしれません。

村本さんが利用者様との関わりの中で学んだのは、一人ひとりに寄り添い、信頼関係を築いていくことの大切さでした。

利用者様それぞれに歩んできた人生があり、価値観があり、大切にしているものがあります。

だからこそ、一人ひとりとの向き合い方に正解はありません。

相手を知ろうとすること。

その人らしさを大切にすること。

そして日々の関わりを積み重ねていくこと。

そうした時間の先に信頼関係が生まれていくのだと、これまでの経験を通して感じているそうです。

介護施設というと、普段の生活ではあまり接点がない場所に感じるかもしれません。

けれど、その中では今日も、人と人との温かな関わりが積み重ねられています。

利用者様との出会いを通して成長していくスタッフの姿もまた、この場所を支える大切な力なのかもしれません。

次回予告

次回は「施設内の普段の様子」。

次回は、そんなスタッフの皆さんが日々どのような一日を過ごしているのかをご紹介します。

普段はなかなか見ることのできない、太陽の家横濱羽沢の日常の風景をお届けします。

もっと人にフォーカス!ローカル連載

地域の人やお店、活動している人の“想い”や“日常”を、少しずつ深く知ることができるのが連載記事の楽しさです。
このコーナーでは、神大寺・片倉エリアでがんばる人たちやお店のストーリー、地域の取り組み、暮らしのヒントなどを、シリーズ形式でお届けしていきます。

一度読んで終わりではなく、回を重ねるごとに少しずつ見えてくる背景や人柄。
そんな“地域の物語”を、ゆっくり楽しんでいただけたらうれしいです。

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