「一人で悩まない」ことも、介護の仕事のひとつだから【太陽の家横濱羽沢 連載第4話】

太陽の家の猫

介護の仕事は、人を支える仕事です。

けれど、支える側にいる人も、いつも迷わずにいられるわけではありません。

目の前の方にどう声をかければいいのか。

この対応でよかったのだろうか。

仕事を始めたばかりの頃には、そんな迷いを抱えることもあります。

今回お話を伺ったのは、特別養護老人ホーム太陽の家横濱羽沢で働く関口翔大さん。社歴5年になる現在は、リーダーとして新しく入った職員から相談を受ける立場でもあります。

そんな関口さんにも、介護の仕事を始めた頃には、悩み続けた時期がありました。

新しい環境に戸惑うのは、きっと当たり前

太陽の家スタッフさん

関口さんが、今でも難しさを感じるというのが、新しく入居された方への最初の対応です。

これまで暮らしてきた環境から離れ、突然、知らない人たちとの共同生活が始まる。

住む場所が変わるだけではありません。

周りにいる人も、生活のリズムも、それまでの「当たり前」も大きく変わります。

「落ち着かない入居者様も多く見受けられます」

関口さんは、そんな方と接するとき、できるだけしゃがんで目線を合わせて話すことを意識しています。

立ったまま上から声をかけるのではなく、同じ目線に立つ。

それは、ほんの小さな動作かもしれません。

でも、その背景には「少しでも不安をなくしてほしい」という思いがあります。

そして、これは新しく入居された方だけに限ったことではありません。

日々関わっている入居者様に対しても、目線を合わせて話すことを大切にしています。

「何か悩みがあったときに、一番に自分を思い浮かべてほしいんです」

関口さんがそう話してくれたのが印象に残りました。

介護の仕事で築いていきたいのは、ただお世話をする関係ではなく、「この人なら話してみよう」と思ってもらえる関係なのかもしれません。

1年目の半年間、悩み続けた

今では5年の経験を積み、リーダーとして働いている関口さん。

そんな姿からは想像しにくいかもしれませんが、1年目の頃は、入居者様との会話や介助の一つひとつに悩んでいたそうです。

特に最初の半年間は、「どうしたらいいんだろう」と考えることが多かった時期でした。

介護の仕事には、知識や技術だけでは答えが出ない場面があります。

同じ声かけをしても、相手によって反応は違う。

その日の体調や気持ちによっても、必要な対応は変わります。

マニュアル通りに進めればすべて解決する、という仕事ではありません。

だからこそ、経験の浅い時期には迷うことも多かったのでしょう。

支えてくれたのは、すぐそばにいる人たちだった

そんな時、関口さんが頼ったのが、直属の上司やユニットの職員でした。

分からないことがあれば聞く。

うまくいかなかったことがあれば相談する。

その都度、自分の中だけで答えを出そうとせず、周りに話をしていきました。

振り返ってみて関口さんが強く感じているのは、職場の雰囲気や、身近に相談できる人がいることの大切さです。

「困ったときに、あの人に相談したい」

そう思える相手が近くにいるだけで、抱えている不安は少し軽くなるものです。

そして、悩んでいることを誰かに話すことは、決して恥ずかしいことではありません。

関口さんは、「不安を吐き出すことも一つの勇気」だと考えています。

今度は、自分が相談される側に

現在、リーダーという立場になった関口さん。

新しく入った職員から相談を受けることもあります。

そんな時に目指しているのは、自分が1年目の頃に支えてもらったような「相談しやすいリーダー」です。

自分が分からなかったこと。

不安だったこと。

誰かに話を聞いてもらって助かったこと。

そうした経験があるからこそ、今度は自分が誰かにとっての相談相手になりたい。

以前は支えてもらう側だった人が、今は支える側になっている。

その変化の中には、5年間の経験だけではなく、周りの人から受け取ったものもたくさんあるのでしょう。

職場の外にも、話せる人がいる

関口さんが悩んだときに頼るのは、職場の人だけではありません。

学生時代からの友人に相談することもあるそうです。

相手の意見を聞く。

自分の考えを話す。

それだけでも、自分が何に悩んでいるのか、少しずつ整理されていきます。

友人に限らず、家族やパートナー、話しやすい職員など、信頼できる相手なら誰でもいい。

一人で抱え込まず、言葉にして外へ出してみる。

それが気持ちを落ち着かせ、もう一度前を向くきっかけになることがあります。

「決して一人で悩まない。不満を周りの人に吐き出して、自分の気持ちを整理する。それも介護職員としての一つのスキルだと思います」

関口さんのこの言葉は、介護の仕事に限らず、私たちの日常にも通じるものかもしれません。

支えてもらった経験が、次の誰かを支える

人を支える仕事だからといって、働く人が一人ですべてを背負う必要はありません。

分からないことがあれば聞く。

悩んだら話す。

誰かの意見を聞いて、自分の考えを整理する。

そうやって周りの力を借りながら、自分自身も少しずつ成長していく。

関口さん自身、今も「目標とするリーダー像」に近づくために勉強を続けています。

完璧だから誰かを支えられるのではなく、自分も誰かに支えてもらった経験があるからこそ、相手の気持ちを想像できる。

太陽の家横濱羽沢で働く人たちの姿からは、そんな人と人とのつながりが見えてきました。


次回予告

次回は「心に残る出来事」。

日々の仕事の中で出会う、忘れられない瞬間や、心に残っているエピソードを通して、介護の現場で生まれる人と人とのつながりをお届けします。

太陽の家 横濱羽沢

施設名:特別養護老人ホーム 太陽の家横濱羽沢

住所:神奈川県横浜市神奈川区羽沢町2-1

TEL:045-442-4907

HP:https://www.ui21.or.jp/yokohama_hazawa/

もっと人にフォーカス!ローカル連載

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